給湯器には、様々な種類があり、種類やメーカーによって特徴や仕組みなどが異なります。
従来型の給湯器には、ガス給湯器と電気温水器があります。
近年使用率が高まっているエコキュートのヒートポンプ給湯器は、大幅に光熱費を削減できることから人気の給湯器です。
この記事では、ヒートポンプ給湯器の仕組みと特徴、電気温水器との違いなどを詳しく解説していきます。
初期費用や電気代、メリット・デメリットについても紹介するので、給湯器選びでお悩みの方は参考にご覧ください。
目次
1.ヒートポンプ給湯器の仕組みと特徴
ヒートポンプ給湯器とは、空気から熱を取り出し、その熱と電気の力によってお湯を作る仕組みです。
ヒートポンプの中には低温冷媒のCo2が入っており、冷媒は、大気中の熱を吸収してコンプレッサーで圧縮すると、110~120℃ほどまで高温化させることが可能です。
その熱を水に伝えることで、水をお湯に変えることができます。
そして、膨張弁で冷媒を低温・低圧に戻して、また空気中の熱を吸収させて循環させています。
そんなヒートポンプ給湯器のエコキュートは、従来の電気温水器と比較すると30%ほど光熱費を抑えることができるのが大きな特徴です。
お湯を作る際に、エネルギーの2/3は空気中の熱からまかなうため、電気温水器のように、電気だけの力に頼りません。
そのため、電気の消費量が1/3となるのです。
2.電気温水器とヒートポンプ給湯器の仕組みの違い
ヒートポンプ給湯器と電気温水器では、お湯の作り方が異なり、ヒートポンプ給湯器は空気中の熱を冷媒で取り出して加熱させ、圧縮して高温化してお湯を作り出します。
一方、電気温水器は、金属に電気を流してヒーターを発熱させます。
直接水を加熱させてお湯を作り、沸いたお湯を貯湯タンクに貯める仕組みです。
3.ヒートポンプ給湯器なら電気代が安い
ヒートポンプ給湯器と電気温水器ではお湯の作り方が異なるため、電気代に差が生じます。
電気温水器は電気ヒーターを発熱させてお湯を作るので、電気代が高くなりがちですが、ヒートポンプ給湯器は電気代温水器の1/3程度しかエネルギーを使いません。
少ないエネルギーでお湯を作れるため、光熱費を大幅に抑えることができます。
また、エコキュートは電気代が安い深夜帯にお湯を沸かす場合が多く、そのため、より電気代を節約しながらお湯を作ることができるのです。
電気温水器使用時の電気代が10,000円/月の家庭では、ヒートポンプ給湯器のエコキュートに切り替えて3,000円/月まで抑えられるケースもあります。
年間に換算すると、このケースでは電気温水器だと120,000円かかります。
ヒートポンプ給湯器なら年間36,000円になります。
このケースでは、エコキュートのヒートポンプ給湯器に切り替えたことで年間約84,000円も節約できてしまいます。
エコキュートの寿命は約10年と言われており、10年間使うことを想定した場合、電気温水器の電気代は1,200,000円もかかることになりますが、ヒートポンプ給湯器の場合は10年間使っても360,000円です。
その差額は840,000円と大きな金額になります。
4.初期費用はかかるがトータルでみるとヒートポンプ給湯器の方がお得になりやすい
ヒートポンプ給湯器のデメリットとして耳にするのが、初期費用が高いということです。
電気温水器の本体価格は、100,000円~250,0000円です。
それに対し、エコキュート(ヒートポンプ給湯器)は300,000円~700,000円ほどかかり、その差額は、200,000円~450,000円ほどとかなり差があります。
この初期費用だけを見ると、ヒートポンプ給湯器が高く感じてしまうかもしれません。
しかし、電気代のについて解説したように、10年間使うことを想定した場合、ランニングコストの観点からヒートポンプ給湯器の方がお得と言えるでしょう。
先ほどの例の場合では、電気代の差額が840,000円なので十分に初期費用を回収することができます。
長期的に見てお得になるので、初期費用を捻出できるならヒートポンプ給湯器のエコキュートを選ぶことをオススメします。
5.ヒートポンプ給湯器のメリット
この章では、ヒートポンプ給湯器にはどのようなメリットがあるのか、紹介します。
【電気代を大幅に節約できる】
ヒートポンプ給湯器は、紹介したように電気代を大幅に節約できるタイプの給湯器です。
一般的なガス給湯器や電気温水器は電気代が高くなってしまいますが、ヒートポンプ給湯器なら電気代を1/3ほどに抑えることができます。
月に数千円~数万円ほど節約できれば、年間では数万円~数十万の節約が可能です。
電気代が高い家では、特にその恩恵を感じやすいでしょう。
エコキュートの寿命までに節約できた電気代で、十分に初期費用を回収できるでしょう。
また、オール電化の家庭ではより電気代を節約できます。
ガス給湯器と違ってガスを使わずに電気を使用するため、オール電化の家庭にもぴったりです。
【非常時に水を使える】
地震や落雷に伴う停電などによる非常事態の際にも、ヒートポンプ給湯器なら水を使うことができるのも大きなメリットです。
ヒートポンプ給湯器は、タンクにお湯を貯めて使う仕組みになっています。
モデルによりますが、270L~460Lのお湯を貯めることができるので、その水を生活用水として使うことができるのです。
断水してしまった時には、非常時用取水栓から水を出すことができるので、万が一の際でも、安心して水が使えるのは嬉しいメリットでしょう。
【補助金を活用できる】
ヒートポンプ給湯器は、ガスを使用せず大気熱と電気を利用してお湯を作るため、環境に優しい給湯器となっています。
補助対象製品であれば、こうしたエコな給湯器は補助金を受け取ることが可能です。
エコキュートのヒートポンプ給湯器の設置や交換を行うことで、補助金がもらえるのです。
補助金を受け取るには申請が必要ですが、数万円~数十万円単位でお得にエコキュートの設置・交換を行うことができます。
安くヒートポンプ給湯器を設置したい人には、大変嬉しいメリットです。
6.ヒートポンプ給湯器のデメリット
次に、ヒートポンプ給湯器のデメリットも紹介します。
給湯器を検討する際は、メリットだけでなくデメリットと対策方法まで理解して購入を検討するのがおすすめです。
【初期費用が高い】
ヒートポンプ給湯器は、前述したように初期費用が高いことがデメリットに挙げられます。
給湯器の費用相場は、300,000円~700,000円に対して、電気温水器が100,000円~、ガス給湯器が150,000円から買えることを考慮すると、エコキュートは高く感じるでしょう。
ヒートポンプ給湯器に切り替えることで電気代が安くなるので、長期的に見てお得にはなります。
しかし、それでも初期費用が高いことは事実です。
初期費用を抑えたい場合には、エコキュートの設置や交換で補助金がもらえる制度を利用すると良いでしょう。
【設置スペースが必要】
ヒートポンプ給湯器を置くには、従来のガス給湯器や電気温水器よりも広めのスペースを要します。
なぜなら、ヒートポンプユニットと貯湯ユニットをセットで設置しなければならないからです。
容量が大きいモデルを選んだ場合は、より広いスペースが必要となります。
設置スペースが限られている場合には、薄型のモデルや他の給湯器も検討しなければならないでしょう。
【タンクのお湯が切れるリスクがある】
ヒートポンプ給湯器は、沸かしたお湯をタンクに貯めて使います。
想定よりもお湯を使い過ぎたり、家族構成に見合う容量の給湯器を選ばなかったりすると、一時的にタンクにお湯がなくなってしまうリスクが否めません。
また、突然の来客でお湯を多く使用してお湯が足りなくなるケースも考えられます。
万が一、お湯切れしてしまった場合には、電気代が安い深夜ではなく日中にお湯を作ることになるため、電気代がその分上がることを覚えておかなくてはなりません。
お湯切れのリスクを防ぐためには、家族構成に合わせた容量の給湯器を選ぶことが大切です。
来客時でも使えるように、通常使用するよりも少し余裕のあるモデルだと安心して使えるでしょう。
7.ヒートポンプ給湯器を長く使うために
ヒートポンプ給湯器の寿命は、部品が故障しやすくなる年数で約10年です。
大抵の場合、10年経つとメーカー側にも在庫がなくなってしまうため、部品自体を交換できなくなってしまい、修理対応が難しくなります。
ヒートポンプ給湯器は初期費用が高いため、10年使えるように適切な使い方をするようにしましょう。
この章では、どのような使い方をすれば、ヒートポンプ給湯器を長持ちさせられるのかを解説させていただきます。
【環境に合うモデルを選ぶ】
エコキュートには、耐塩害仕様のモデルや寒冷地仕様のモデルもあります。
寒冷地にお住まいの場合には、寒冷地仕様のエコキュートを選ぶようにすることで、凍結の心配をせずにエコキュートを使うことができます。
また、塩害地域においては耐塩害仕様のエコキュートを選ぶことが、潮風や錆びからヒートポンプ給湯器を守るために必要です。
このように、環境に合うモデルを選ぶことで、ヒートポンプ給湯器を長持ちさせることができます。
【タンクとポンプの水抜きを行う】
ヒートポンプユニットや貯湯タンクは、年に数回水抜き作業を行いましょう。
そうすることで、不純物や汚れが蓄積しにくくなります。
清潔な状態になることで、お湯に汚れや匂い、沈殿物などが混ざりません。
また、フィルターに詰まる心配もありません。
お湯が循環しにくい状態で使用してしまうと、電気代がかさんだり負荷がかかったりして故障しやすくなってしまいます。
自分でもできるメンテナンスとして水抜きを行うようにしましょう。
【適切な入浴剤を選ぶ】
入浴剤には、硫黄が含まれているものや塩の入浴剤などがあります。
これら硫黄・塩分・アルカリ・酸などが含まれている入浴剤は、ヒートポンプ給湯器のエコキュートでは使うことができません。
メーカーによってはにごり湯が使えないところやバブやバスクリン、きき湯が使えないメーカーもあります。
そのため、入浴剤を入れてお風呂に入る場合には、購入したメーカーで推奨している入浴剤を選ぶようにしましょう。
推奨外の入浴剤を使用すると、配管が劣化しやすくなったり錆びたりして、寿命を縮める原因となってしまいますので、注意が必要です。
8.ヒートポンプ給湯器がオススメの家庭
ヒートポンプ給湯器は、「オール電化の家庭」や「電気代を節約したい家庭」、「設置場所を確保できる家庭」にオススメです。
それぞれの理由を詳しく解説させていただきます。
【オール電化の家庭】
ヒートポンプ給湯器は、電気代のみでガスを使用しません。
また、基本的に夜間帯の電気代が安い時間にお湯を沸かす仕組みになっているため、オール電化の家庭なら電気代を節約しながら給湯器を使うことができます。
【電気代を節約したい家庭】
ヒートポンプ給湯器は、電気温水器と比較して約1/3のエネルギーしか使いません。
深夜帯の電気代が安い時間にお湯を沸かすこともあり、ヒートポンプ給湯器なら電気代を大幅に節約できます。
電気温水器の30%ほどの料金に抑えられるパターンが多いので、電気代を節約したい家庭に非常にオススメの給湯器です。
【設置場所を確保できる家庭】
ヒートポンプ給湯器を設置するには、広めの設置スペースが必要です。
ヒートポンプユニットと貯湯ユニットを設置しなければならないため、設置スペースがないとそもそも候補外となってしまいます。
ガス給湯器には壁掛けタイプのものや薄型の製品がありますが、ヒートポンプ給湯器を置く場合には、設置するためにスペースが必要です。
そのため、ヒートポンプ給湯器は設置場所を確保できる家庭にオススメです。
9.まとめ
ヒートポンプ給湯器は、大気熱と電気の力によってお湯を作る給湯器です。
ガス給湯器や電気温水器と違って、自然エネルギーを活用してお湯を作れるので大変エコなので、電気代を約1/3ほどに節約できるようになります。
また、環境や家族構成に合うモデルを選び、適切に使用することで安心して長くヒートポンプ給湯器を使うこともできます。
さらに、オール電化の家庭や電気代を節約したい家庭では、特にヒートポンプ給湯器の恩恵を大きく受けられるでしょう。
エコキュートと電気温水器のどちらにしようかとお悩みの方は、ぜひこの記事を参考にしてくださいませ。
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