「エコキュートを使い始めてから音が気になるようになった」といった話を聞いたことがある人もいるでしょう。
エコキュート自体は大きな音が出るものではありません。しかし、騒音トラブルが起こらないとは言い切れないのです。
そこで今回は、エコキュートで騒音トラブルが起こる原因や騒音対策などについて解説していきます。
エコキュートの導入を考えている方、設置されている方は、ぜひご参考までにご覧ください。
目次
1.エコキュート本体から出る音は換気扇よりも小さい!
エコキュートの設置で騒音トラブルが発生したというケースを見聞きすることは多いですが、エコキュート本体から出る音はそこまで大きくなることはありません。
音の大きさは約40dBで閑静な住宅街の昼間に起こるレベルの音です。
家庭用エアコンの室外機や扇風機の音は約50dBと言われているので、エコキュートの音が特別に大きい音とは言い切れないでしょう。
そのため、エコキュートを導入すると近所迷惑になったり、自分たちの生活に支障が出てしまったりするほどの騒音が起こるのではないかという心配をする必要はありません。
2.騒音問題の原因となるのは低周波音
エコキュート自体の騒音はそこまで気にならないものですが、ヒートポンプユニットの低周波音が騒音問題の原因になる可能性があります。
低周波音が騒音問題の原因になる理由は、大きく分けると3つあります。
具体的にどのような原因があるのか、ということもエコキュートを導入するのであれば把握しておくのが望ましいです。
1つ目の理由は、低周波音は私たち人間が不快に感じやすい音ということです。
低周波音は12ヘルツ程度の音を指します。
人によっては、頭痛や肩こり、イライラ、倦怠感、耳鳴り、動悸などの体調不良を起こします。
エコキュートユーザーがそのような不調を感じていなかったとしても、近隣住民が体調不良を起こす可能性があることも知っておかなければいけません。
2つ目の理由は、静かな夜に稼働するので低周波音を騒音だと感じやすいことです。
ヒートポンプユニットは夜に稼働することが多いので、静かな時間に低周波音が響きやすくなります。
深夜に冷蔵庫の稼働音に似た音が周りに響けば、騒音として報告される可能性は高くなるでしょう。
不眠症になってしまい、精神的苦痛を与えられたとして、訴えられて訴訟問題に発展する可能性もないとは言い切れません。
3つ目の理由は、低周波音が建物に振動を与えるということです。
低周波音は建物を振動させる性質を持っています。これは、共振と呼ばれる現象です。
まるで地震のような揺れを近隣住民が感じる可能性があります。
常に揺れている家で生活をするのは誰もが苦痛に感じるものなので、できるだけ低周波音の影響を出さないように設置することが重要だと言えます。
3.エコキュートを導入する際に知っておきたい騒音対策
エコキュートを導入するのであれば、低周波音による騒音対策を講じる必要があります。
そうすることで、自分たちだけではなく近隣住民の生活を脅かす可能性が低くなるためです。
ここからは、エコキュートを導入する際に知っておきたい騒音対策を3つピックアップしてご紹介します。
防音シートや防振ゴムを使用する
防音シートや防振ゴムを壁に貼ったり、下に敷いたりすると、音や振動が伝わることを防げます。
メーカーによっては、室外機の本体カバーの内側にあらかじめ防音シートが貼られているケースもあります。
音が気になる時は、天板にプラスして防音シートを貼っておくと、気になりにくくなるので試してみてください。
設置する場所を吟味する
エコキュートの設置場所は、寝室や隣の家、窓、換気口の近くに設置するのは避けましょう。
できるだけ家の中の低周波音が届きにくい場所に設置するのが基本です。
特に寝室の近くだと低周波音が響き渡って睡眠に悪影響を及ぼす可能性があるため、気を付ける必要があります。
また、壁に囲まれた場所だと音が反響しやすくなるので、できるだけ広い空間がある場所に設置することもポイントです。
そのような空間がない場合は、少しでも空間が広い場所を選ぶようにしたり、ファンの向きを変えたりといった工夫を凝らすと、音が気になりにくくなります。
防音壁を設置する
防音壁を設置することも、おすすめの騒音対策です。
ただし、コンクリート製などは音が反響しやすく、逆効果になってしまう可能性もあります。
そのため、吸音性が高い素材を使った防音壁を選ぶようにしましょう。
また、エコキュートは熱交換を行うので、狭い空間に設置することはメーカー側が推奨していないという点も考慮しなければいけません。
防音壁を設置する時は自分たちでDIYするのではなく、専門的な知識を持つ業者にまずは相談してみると良いでしょう。
エコキュートを導入するのであれば、低周波音が発生することは認識しておくべきポイントです。
それが近隣トラブルの原因になる可能性もありますが、適切な対策を講じれば、未然に防げる可能性も大いにあります。
設置してから低周波音が気になるようになった場合は、場所の移動ができないか専門業者に相談したり、防音壁や防音シートなどを使ったりすることで改善できるので、ぜひ試してみましょう。
4.エコキュートの騒音で近隣トラブルが発生したらどうする?
エコキュートの低周波音が響き渡り、近隣トラブルが発生する場合もあります。
近隣住民から苦情が寄せられた場合は、できるだけ早く対処しなければいけません。
最後に、エコキュートの騒音で近隣トラブルが発生した時の対処法についてご紹介します。
話し合いをする
騒音被害を近隣住民が訴えてくる場合は、まず話し合いの場を設けるようにしましょう。
騒音ストレスを感じていると、気持ちが高ぶって、落ち着きがなくなっている場合もあります。
そのままだと冷静に話し合えないので、状況を確認するためにもお互いに落ち着いた状態になることが重要です。
相手を落ち着かせるためには、誠心誠意謝罪することがポイントになります。
謝罪をして相手を落ち着かせてからきちんと話ができる状況を作ってください。
冷静に話ができるようになったら、騒音の状況や被害の有無を確認し、それ以降の対応を検討します。
エコキュートの設置状態をチェックする
最近設置したエコキュートであれば、業者が隣の家との距離や配置を考えて設置してくれます。
そのため、設置場所が問題になるケースはほとんどありません。
しかし、エコキュートを固定する器具が外れている、エコキュートの周りに壁ができた、相手の家の間取りが変わった、などの状況変化で音の響きやすさなどが変化している可能性があります。
設置後に何らかの変化が起こっていないかチェックし、変化に合わせた対策を考えなければいけない場合もあるのです。
音が静かなエコキュートを選べばトラブルを未然に回避できる
エコキュートにはいくつもの種類があり、音が静かなタイプもあります。
そのようなエコキュートを選べば、近隣トラブルは未然に防げます。
貯湯ユニットのサイズが大きいと稼働音も大きくなる傾向にあるので、家族構成などで問題がない場合はできるだけ小さいタイプを選ぶようにしましょう。
貯湯ユニットが大きいエコキュートはお湯切れの不安は解消されるというメリットはありますが、その分騒音トラブルが起こる可能性が高くなるので、それを踏まえて選ぶ必要があります。
また、最新機種にすると騒音トラブルになりにくい傾向もあるので、古くなっている場合は思い切って新しいモデルに交換するのも良いでしょう。
5.まとめ
エコキュートを導入すると生活の利便性は向上しますが、騒音トラブルの原因になってしまう場合があります。
近隣住民からのクレームが寄せられることもありますが、適切な対策を行っていれば、そこまで大きな問題にならずに済みます。
エコキュートの導入を考えているけれど、騒音トラブルの原因になるのが不安だと感じているのであれば、今回ご紹介した対策方法を試してみてください。
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